2005年11月18日
いわゆる旅初日の会場ということもあり、仕込みと場当たり稽古に時間をかけるためにスタッフは15日夜に松本入り、16日もまる一日の作業となりました。この作品の音響プランは市来邦比古さん、音響オペレーターには徳久さん、演出部には丸山さん…とまつもと市民芸術館のこれまでの作品にもその稽古からどっぷり関わったスタッフの方、以前の市民会館の姿を知るスタッフの方がいらっしゃって、「おかえりなさい!」という気分になります。開館して1年余り、いろいろなスタッフ・キャストの方が舞台とともにいらっしゃっては立ち去り、またいらっしゃる。こうしてまつもと市民芸術館の時間はつながっていって、いつか長い物語になるのだなぁと感慨にふけっている間に、仕込みは完了。舞台には保健室ができあがりました。
都立高校の卒業式。「君が代」を歌う(生徒と教師と参列者にも「歌わせる」)か否か。戸田恵子さんはじめとする5人の「センセー」たちの会話に笑って笑って笑っているうちに、人の「内心」と「外心」について、自分自身で考えなければならないところまで連れてこられたことにきづく…という永井愛さんの世界。満席の実験劇場が時に笑いに揺れ、時に静まりかえって、公演は無事に終了しました。
旅公演の初日に駆けつけてくださった作・演出の永井愛さんにはシアターパークでトークをしていただくことになりました。公演終了後、100名を越すお客様が残ってくださり、現実の都立高校卒業式の「君が代」伴奏にまつわる裁判を傍聴した話や、松本を舞台にした永井さんの作品『萩家の三姉妹』の話など、舞台と同じく、笑ってしまいながらも考えさせられる宿題を見つけたような気分でトークも終了。『「君が代」と「日の丸」だけが問題なのではなくて、何かを強制されるときの人々の心情を考えたかったんです』という永井さんの言葉が響きます。観客のみなさんの熱い思いがあふれたアンケートもたくさんいただきました。ありがとうございます。
翌朝、快晴の松本の街を散歩してから一行は次の公演地、大津を目指して発っていきました。「またいつか。そう遠くなく。」と手を振りあって。
ところで今回の公演から実験劇場の椅子に特製ザブトンが設置されました。少しでも快適に舞台をごらんいただければ、試作を繰り返したスタッフとしても嬉しい限りです。
(長山)
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