芸術館日記

1218-1.jpg乾いた冷たい風が東京にも吹き荒れた12月18日、都内・世田谷にあるスタジオで『幽霊はここにいる』の稽古が始まりました。稽古初日は「顔寄せ」「顔合わせ」と言うとおり、稽古場に集合したキャストとスタッフが、担当制作・松野君により順に紹介されて顔を合わせるところから始まりました。紹介が済んだあと、演出・美術さらに出演の串田さんから作品についてのイメージが語られ、そのあとすぐに「ホンヨミ」。とにかく台本を一度通して読んでみます。

物語は、いるかいないか実のところはわからない幽霊をダシにして金儲けをしようというペテン師を中心に進みます。
ひと通り読み終えた出演者たちから「幽霊は怖いのか」「そもそも幽霊はいると思われているのか」という声が口々にあがり、話題は、幽霊とお化けと心霊あるいは超能力、果ては実際の体験談へと拡がって、まるでペテン師・大庭三吉に振り回される町の人々のようですらあります。

そして敗戦直後の貨幣価値(物語のなかで、人々は亡くなった家族の写真を売り買いするのです)、そして「怖い」と思うものや、何かを「おそれる」気持ちへと、だんだんに話題が移り、それぞれが、この物語の中へ入っていく手がかりを具体的に捜し始めたかのようです。…稽古はこのようにして皆で話し合っては止まり、試してみては話し合って、また進むのです。

さて今回は、松本から3人の方が参加しています。セリフもいくつもある重要な役どころで。稽古場のある駅近くのアパートタイプの宿舎に滞在して稽古場に通っている彼らは、他の俳優、スタッフとの話し合いにもどんどん入っていく姿は、もはや「俳優」と言わずしてどうしようという風情です。
稽古はクリスマスイブだけをお休みにして年内は30日まで続きます。

(長山)