芸術館日記

2010年01月 アーカイブ

 新年も明けて、はや4日目。当館も3日から開館し、今日あたりは職員もそろってまいりました。なにとぞ、今年もよろしくお願いいたします。


 さて、元旦の朝日新聞にさっそくおめでたいニュースが。「学術、芸術などの分野で傑出した業績をあげた個人、団体に贈られる」という朝日賞、2009年度の受賞者に、当館の設計を手がけた伊東豊雄さん(建築家)が選ばれていました。 「現代建築における空間表現の可能性を広げた業績 」に対してとのことです。


 なんとなく、2010年が当館にとって明るい感じがしてくるニュースでしたね! 今年はいっぱいブログも更新したい、などと新年に当たり、弱弱しい決意をしたのでした。(いまい)




 元旦のズームイン!SUPERで行われた「書道ガールズ甲子園」で魅せた書道部さんの新鮮なパフォーマンスが記憶にあたらしいところですが(これ、芸術館でもできるな、とまじに思いました)、どうしてどうして、演劇部も負けてはおりません。
 長野県大会で優秀賞を獲得し、1月23日、24日に東御(とうみ)市文化会館サンテラスホールで行われる、北関東大会に進出するのです。なんでも、県大会での仕込み(短時間で舞台を作らなければならない)で失敗した教訓をいかそうと、本日、当館主ホールで仕込みの練習にやってきました。当館の技術スタッフのアドバイスを真剣に聞く表情を見ていると、本番もばっちし!と期待がわいてきました。

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 作品は、ベトナム戦争の帰還兵の内面を描くという、高校生には手ごわいのではと思わせる戯曲です。といっても、担当の先生が書かれたものですけど。先日、高校のアトリエをのぞかせていただきましたが、気合十分、白熱の稽古が展開されていましたよ。

 ちなみに、以下が北関東大会のスケジュール。おっと、わが母校、岡谷南高校も出場するのか。こっちも応援しないと。(いまい)
 
平成22年1月23日(土)
 9:30~9:50 開会式   
10:00~ 上演① 作新学院(栃木)「La maison」 大垣ヤスシ 作(顧問創作)
11:20~ 上演② 松本蟻ヶ崎(長野)「花を摘む」 日下部英司 作
12:20~13:10 昼休み
13:10~ 上演③ 岡谷南(長野) 「リア王」 W.シェイクスピア 作 岡谷南高校演劇部・構成
14:30~ 上演④ 秩父農工科学(埼玉)「肌色メタル」 コイケユタカ 作(顧問創作)
15:50~ 上演⑤ 前橋南(群馬)「黒塚Sept.」 前橋南高校演劇部+原澤毅一 作(生徒・顧問創作)
17:10~ 上演⑥ 見附(新潟)「はじめの一歩」 田村和也 作(創作)

1月24日(日)
 9:30~ 上演⑦ 宇都宮中央女子(栃木)「tu sitio」 倉井 栞 作 (生徒創作)
10:50~ 上演⑧ 筑波大附坂戸(埼玉)「ジギタリスと田中くん」 筑波大学附属高校演劇部 作(生徒創作)
11:50~12:40 昼休み
12:40~ 上演⑨ 丸子修学館(長野)「paradox-それは次々と帰無して行く時間に対する、
           僕のささやかなる復讐だった-」 郷原 玲 作

14:00~ 上演⑩ 新島学園(群馬) 「そうさく!」 安部史恵 原案 大嶋昭彦 脚本(生徒・顧問創作)
15:20~ 上演⑪ 新潟南(新潟)「唇に聴いてみる」 内藤裕敬 作 (既成)

16:50~18:20 講評・結果発表・閉会式



 1月13日、渋谷のシアターコクーン稽古場での、あの、あの、あの『上海バンスキング』の製作発表が行われました。『上海バンスキング』は、まつもと市民芸術館芸術監督・串田和美がかつて率いたオンシアター自由劇場という劇団で六本木の小さな地下劇場で1979年に初演し、大反響を呼んで以降、繰り返し繰り返し上演されてきた大名作です。

 製作発表のオープニング、名バイプレーヤーとして数々の映画や舞台で活躍している笹野高史さんがトランペットでリードします。その音を合図に、稽古場のあちこちからさまざまな楽器をもった、おそろいのタキシードに身を包んだなつかしい顔が次々と現れ、演奏の輪のなかに加わっていきます。わが芸術監督はクラリネットを吹いています。

 まつもと市民芸術館でもおなじみ、真那胡敬二さん、内田紳一郎さん、稲葉良子さん、三松明人さんもいます。そして、最後に吉田日出子さんが加わって、楽しそうに歌い始めたのです。そう「ウェルカム上海」。スタッフも、マスコミも、何度もこの作品を見た人も伝説でしか知らない人も、その場にいる誰もが、16年前ぶん上演を待ちわびた喜びで、にこにこ笑顔。かくいうボクもにこにこです。

 松本でも、あの作品を見て演劇が大好きになったという話をよく聞きます。ポスターにかかわった和田誠さんやら、自由劇場と同じビルの3階に事務所を構えていたという宇崎竜童さんなど、さまざまな方々もとにかく楽しくあいさつしていました。


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 1月23、24日に行われた高校演劇北関東大会を観にいってきました。蔭山支配人と観たのは23日。芸術館でセットチェンジの稽古をしていた松本蟻ケ崎高校と岡谷南高校の二校が観られたからです。

■北関東大会結果
●最優秀校
 前橋南(群馬)「黒塚Sept.」
●優秀校
 宇都宮中央女子(栃木)「tu sitio」
 岡谷南(長野) 「リア王」
 新島学園(群馬) 「そうさく!」
●創作脚本賞
 日下部英司「花を摘む」長野県松本蟻ヶ崎高校

 蟻ヶ崎高校の「花を摘む」は、シンプルな黒の衣裳を着た皆さんが、戦争真っただ中のベトナムと戦後のアメリカを舞台に、ベトコンの現在と今を交互に見せていく骨太な作品でした。岡谷南の「リア王」は、能の手法を用いたのと、リアと娘の関係を現代の女子高生と父親の関係として描いていました。どちらも演劇としてのアイデア満載。
 いやあ、お疲れさまでした。ここまで活気ある大会を見せてくれた高校生の皆さんに感謝。「演劇舞」「演激」など、お揃いのユニホーム姿で会場にあふれる高校生の皆さんを観ているだけで、演劇もなかなかやるじゃんという気分になりましたよ。(いまい)




 いよいよ、Noism1の公演が迫ってきました。29日、ゲネ(公演とほとんど同じ状況で行われる最終稽古)が行われたので、客席の片隅で拝見しました。

 さすが! 今更ながら、改めて、まずは振付、演出の芸術監督・金森穰さんのアイデアには驚きました。本当に引き出しが広いというか、そこ無しというか、この人の作品は毎回毎回全く違う表情をしています。今回は、せりふはないけど演劇的で、言葉以上にダンスが雄弁に語る“舞踊的演劇”。時折発せられる平穏を引き裂くようなダンサーの叫びが、客席で安穏と見ている私に襲い掛かってきました。傍観者でいることをあざ笑うかのように。


 金森作品にいつも共通するのは、私なりに感じるのは、ヴィヴィッドに浮かび上がる色彩の硬質感と、ときに見ていてこっちの体までもがバキバキしてきそうなダンサーの肉体の強さです。今回もそれは変わらず。でも、役柄としてのダンサーの無名性(どういうことかは見に来てくださいね)=世間(とでも表していいかのような)のパワーが無言の圧力かのように、メインダンサーの井関さんを取り巻きながら迫ってきます。それに対し、井関さんの、白、あるいは無色を連想させる無垢な存在感が際立ちます。

 中嶋佑一さん(artburt)の衣裳も、キッチュで、鮮やかで、ダンサーの無名性に強いキャラクターを与えていました。あれ、さっきと言っていることが逆?


 つくづく、演劇とはまた違った、ダンスというジャンルの表現の豊かさ、表現の深さを担当したのです。皆さんも、ぜひ、確認しにいらしてください。
 まつもと市民芸術館ダンス作品、今年度のトリを飾るNoism1『Nameless Poison~黒衣の僧』必見の作品ですぞ。(いまい)



 1月30日、明日の本番を控え、バレエミストレスの井関佐和子さん、Noism1メンバーの総勢11名が、オープンスタジオでワークショップをしてくださいました。参加したのは、地元のバレエ団、ダンス教室に通う10、20代の皆さん。
 内容は、『Nameless Poison~黒衣の僧』に出てくるシーンを、メンバーの皆さんの指導でチャレンジしようというものです。最初は緊張気味の参加者も、徐々に3、4人にNoism1メンバーがついてくれるチーム分けが自然とできていくうち、以前から知り合いだったかのように明るい笑顔を見せ始めるのでした。


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右にいる、参加者を見守っているのが井関さん

 Noism1メンバーさえ、汗だくになって、息があがる振付だけに(メンバーの皆さんが盛り上げるためにわざとやっていたポーズかも?)、参加者は振りは覚えても、そのスピードやメリハリをつけるまでにはなかなかたどりつきません。それでも、必死に負けないようについていきます。

 やっぱり違うなと思ったのは、体幹ですか? 床に足がついているときは根が生えているかのよう。だから、どんな激しい振りであっても不安定さは感じないんですよね。足の親指一本で体が支えられているときでも一緒。さすがです。

 あっという間の1時間半。ふだんとはひと味もふた味も違うダンスを踊って、刺激になったかのような笑顔の参加者の皆さんでした。



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