更新日 2007/05/16

音楽だけでもないみたい-<ヴィーン音楽物語>ができるまで-

ヴィーンへのお誘い

モーツァルト生誕250年だった昨年、「モーツァルトの楽しみ方」というタイトルのもと6回連続の芸術館でのオープンカレッジの講師を務めさせていただいた。信大・人文学部の非言語コミュニケーション講座と芸術館の共催の公開講座ということで、DVDでモーツアルトのオペラ鑑賞をしながら見どころを講義し、地元や海外などのゲスト音楽家によるモーツアルトの曲を聴きながらその背景を講義するというように、「たっぷりモーツアルト、たっぷりお勉強」モードとした。松本には「勉強好き」の音楽ファンが多いのであろう、とても好評だったということで、今年もまた連続講座の講師を依頼されてしまった。さて大変、ん~テーマは?と考えあぐねた結果、今年は「ヴィーン」でいこうと決めた。

おりしも、今年は松本市制施行百周年ということで「松本城を救ったウィーン万博・ウィーン展」もあることだし、芸術館でも市民参加の演劇「松本城物語」が秋に企画されていて、そのオーディションに百人もが応募したとのニュースも耳新しい。モーツアルト・ヴィーン・松本城のキーワードはいけそうだ。

ただ「ウィーン」か「ヴィーン」か、これが問題である。オーストリアのドイツ語は「ドイツ語の京都弁」ともいうべき強い、そして柔らかい訛りのドイツ語、現地発音の「ウィーン」が定着している。しかし私の場合、学生時代の恩師佐野光司(だったかなあ?)からの刷り込み効果と、実際に現地「ウィーン」でも「ヴィーン」という発音が主流のようだという耳体験から、やはり「ヴィーン」が好みだ。

私がはじめて憧れのヴィーンの街路を歩き、ザルツブルク音楽祭まで足を延ばしたのは、今や昔(?)の1978年のことだ。当時ヴィーン市内のあちこちは地下鉄工事の真っ最中で、もうもうとした茶色い工事現場の埃が強く印象に残っている。そして私の「オペラへの道」(ちょっと大げさかな?)もこの時から始まった。はじめて非常勤講師で出講していた愛知県立芸大では「オペラ史」の講義も持ったが、ビデオもDVDもなくLPレコードによるオペラの講義は今考えると、どこまでオペラのおもしろさを伝えることが出来たか、まったく自信がないが、少なくとも私はヴィーンの街並を想い出しながら、楽しそうな顔で話していたことであろう。

写真:ヴィーンのシンボル 聖シュテファン教会

プロフィール
船津恵美子(ふなつ・えみこ)
桐朋学園大学音楽学部卒、同助手、愛知県立芸術大学講師などを経て、インド古典音楽を学ぶため3年間インド留学。またヴィーンにて市立図書館所蔵のシューベルトの自筆譜の研究に従事。現在信州大学非常勤講師。「まつもとオープンカレッジ」の講師として、オペラ講座や連続講座「モーツアルトの楽しみ方」を担当。

バックナンバー
  1. ヴィーンへのお誘い2007/05/16
  2. ヴィーンを歩く2007/05/23
  3. オリジナルの響き2007/05/30
  4. ああ、私のフランツ!2007/06/06

連載記事一覧

最終更新日 2007/11/10
最終更新日 2007/11/14
最終更新日 2007/11/15
最終更新日 2007/11/12

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