更新日 2007/08/09

えげれすでも日本人

やせがまん

欧州の端、島国・英国。亜細亜の端、島国・日本。

多くの民族研究者や世界中を旅した人は、この2つの国を「似ている」と感じることがあるそうです。「地理や風土は人柄に関係する」。そう言った学者さんがいた気がしますが、私は首を大きく縦に振ります。

たとえば、「やせ我慢の美学」。

皆さん経験ありませんか?子供のころ、転んでできた小さな傷に包帯グルグル、アピール満点。あとは誰かが訊いてくれるのを待つだけです。「どうしたの?大丈夫??」待ってましたとばかりに答えます。「ううん、大丈夫、へっちゃらだよ!」そして立ち去るときには、その足を大袈裟に引きずってみせるのです。

これはまさに、やせ我慢に美学を見出しているからこそなせる業。「やせ我慢してるんだぞ!!」と完璧なる演出と演技で自分の美学を伝えます。何が言いたいかって、日本人はやせ我慢が好き。そういうことです。

一方、欧州の島国・英国。とあるハンバーガー屋さんでの出来事。

白シャツをパリッと着こなす、春風のようないわゆる格好いい英国お兄さん。「コーヒー、ひとつ」。その注文さえも爽やかに思えます。しかし、残念ながら災難は人を選んではくれません。

挽きたての薫り高いコーヒーは人に当たって、その爽やか白シャツへ。お兄さんの色白の顔もどんどんどんどん赤くなっていきます。決して恥ずかしいからではありません。一瞬、爽やかさから遠く離れたコトバを発したお兄さん。その後すぐ、「大丈夫だよ。熱くもないし。平気さ」。でも皆さん、ここのコーヒー、熱いんです。しかし、お兄さんは清々しさを取り戻し、「大丈夫!」とそのお店を後にしました。

ほら、やせ我慢の美学。

決して「あっついなー!!」とは言いません。たとえ誰もがその熱さに気づいていても、そうは言わないのです。なぜならそれが、美学だから。

少々偏った感想ではありますが、其々端に位置する島国の共通点を見つけたような、そんな気がするのです。

次回は亜細亜と欧州の違いについて書いてみようと思います。

プロフィール
永田景子(ながた・けいこ)
福岡県生まれ。コトバへの漠然とした興味から、日本大学芸術学部演劇学科演出コースへ進学。卒業後、2年間の同学科研究室勤務を経て英国へ。多国籍の中、日本人を感じる日々。今年9月よりUniversity of East Anglia にてMA in Literary Translationへ進学予定。

バックナンバー
  1. やせがまん2007/08/09
  2. 踊るパブ2007/08/16
  3. 寛ぎタイム2007/08/23
  4. 日本味2007/08/30
  5. KARAOKE Night2007/09/06
  6. 夜中のハイタッチ2007/09/13
  7. 新生活と大家さん2007/09/20
  8. 刺激的なおじいちゃま2007/09/27

連載記事一覧

最終更新日 2007/11/10
最終更新日 2007/11/14
最終更新日 2007/11/15
最終更新日 2007/11/12

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