更新日 2007/08/10

街のしがないたい焼き屋

たい焼きの気持ち

こんにちは。「たい焼きふるさと」の、髭のおっちゃんこと、山本真也です。よろしくお願いします。

皆さんはたい焼きに、天然物と養殖物の違いがあるというのをご存知でしたか?

つまり「ふるさと」のたい焼きのように、昔ながらの製法で、ひとつずつ個別の焼き鏝(ごて)で焼くのが天然物。・・・で、ふだんよく見かける、型を列ねて一度に何匹も焼くものを養殖物と呼ぶそうです。

この天然物のたい焼きを焼く店は、今では全国でも二十数店舗しか残っていないそうです。「ふるさと」もその貴重な一店舗として、ちょっと鼻が高いですよね。

実は「たい焼きふるさと」の店は、私たち夫婦が二代目になります。先代は八十歳になるおばあちゃんで、戦後満州から引き揚げてきて、五十年間女手ひとつでたい焼きを焼き続けて来たのだそうです。そろそろ歳も歳だし、引退を考えていたとこへ、のこのこと松本へやって来た私たちと、運良く巡り合ったというわけです。縁もゆかりも何にもない間柄なんですから、なんだか不思議な縁ですよね。

それからかれこれ十一年目になります。ようやく焼き鏝の上で焼かれるたい焼きの気持ちが、少し分かるようになった気がします。

時々、

「美味しいたい焼きを焼く秘訣は?」

と訊ねられることがあります。

その秘訣は、いつも、美味しくなーれ。美味しくなーれって、一匹ずつのたい焼きに話しかけてあげることですね。

えっ?・・・気持ち悪いって。だってホントなんだもん!

プロフィール
山本真也(やまもと・しんや)
1960年生まれ。兵庫県神戸市出身。TV舞台の大道具の傍ら旅を志す。1996年より一家で旧四賀村に移住。現在、ナワテ通りにて、「たい焼きふるさと」経営中。

バックナンバー
  1. たい焼きの気持ち2007/08/10
  2. 精神の滋養と強壮2007/08/17
  3. 山登り2007/08/24
  4. 街がまるごと劇場だったら2007/08/31

連載記事一覧

最終更新日 2007/11/10
最終更新日 2007/11/14
最終更新日 2007/11/15
最終更新日 2007/11/12

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