更新日 2007/08/23

えげれすでも日本人

寛ぎタイム

慌しく過ぎ行く人たちを眺めながら、コーヒー片手に朝のひと時。ぼんやりすることにも飽きたなら、近くの本屋さんへ行って表紙の色で本を決めよう。少し歩けば、湖の見える木陰のベンチ。太陽を浴びた柔らかな風が、ページめくりを手伝ってくれるだろう。そんなお気に入りに囲まれた、平日の朝。

…ない。そんなことは、ない。私の朝は非常に慌しい。眠気覚ましのコーヒーをこぼさぬよう、競歩気味に教室へ。

しかし不可能ではありません。これは校内で可能なお話。ミニ街の生活が出来るこの校内。ちょっとしたスーパーに、郵便局、3つの銀行と美味しくはないけれど学食。寛ぐ空間も充実です。カフェ、本屋さん、パブ。夜にはライブ会場にもなるホール。そして、うさぎさんのいる原っぱと湖。その辺には、本格的なテントと迷彩服に身を包んだ真剣な釣り人。隣では、お構いなしよ、とご機嫌さんで水へ飛び込むお散歩中のワンちゃん。みんなそれぞれ楽しそう。

英国人は寛ぎタイムを作るのが上手なのかもしれません。いや、大好きなのだと思います。特にお日様との寛ぎタイム。その為には、仕事の大雑把さもいとわない。バッとやってサッと行こう!!その心意気を至る所で感じます。

短い春と夏が終われば、移り気な曇り空と夜空が一日の大半を占める季節。それが、この切り替えの良さを作っているのかもしれません。太陽が出たら、どこからともなく人が出てきて日向ぼっこ。所構わず日向ぼっこ。海でもないのに焼いています。それが叶わない季節には、フットボールとクリケットを肴にお酒とおしゃべり。お日様の次に好きなこと。

寛ぎの場所。曇り空の下でも楽しめる場所。英国人にとってそんな場所が、豊かな四季を持つ日本人が思うよりもずっと大切なのかもしれません。

なんて考えた、秋を運ぶ雨の日、授業後のカフェ。こちらはだいぶ寒くなってきました。

プロフィール
永田景子(ながた・けいこ)
福岡県生まれ。コトバへの漠然とした興味から、日本大学芸術学部演劇学科演出コースへ進学。卒業後、2年間の同学科研究室勤務を経て英国へ。多国籍の中、日本人を感じる日々。今年9月よりUniversity of East Anglia にてMA in Literary Translationへ進学予定。

バックナンバー
  1. やせがまん2007/08/09
  2. 踊るパブ2007/08/16
  3. 寛ぎタイム2007/08/23
  4. 日本味2007/08/30
  5. KARAOKE Night2007/09/06
  6. 夜中のハイタッチ2007/09/13
  7. 新生活と大家さん2007/09/20
  8. 刺激的なおじいちゃま2007/09/27

連載記事一覧

最終更新日 2007/11/10
最終更新日 2007/11/14
最終更新日 2007/11/15
最終更新日 2007/11/12

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