更新日 2007/08/24

街のしがないたい焼き屋

山登り

街のしがないたい焼き屋は、冬がめっぽう忙しく、暑い夏は比較的暇になってしまいます。ですから、冬場の激しい労働の体力を養うため、夏の暇な時期を利用して、数年前から山登りをするようになりました。

夏になると、ほとんど毎週のように出かけ、松本から見える高峰の山はほとんど登り尽したと思います。でも、店をあまり休むわけにもいかないので、いつも早起きをして、車で登山口まで向かい、日帰りでせっせと登り下りしているわけです。

先日も八ヶ岳の阿弥陀岳を登ってきました。

もともと好きで始めた山登りではないので、歩き始めるとすぐに足が重くなります。やがてこんな自問が始まります。

「なんでこんな辛いことをしてるんだろう」

毎回のことです。

だけど、気分は山の気にいっぱいに触れて、高揚してくるのも感じます。

今回の阿弥陀岳は初めての山でしたが、赤岳や硫黄岳を登った時の感触では、八ヶ岳が持つ山の気は、北アルプスの猛るような男性的な気と違って、裾野がゆったりとした女性的な優しい気を感じます。気が合う山です。

やがて稜線にポンと踊り出ます。この「ポンと躍り出る瞬間」がたまらなく好きです。視界がパッと開けると同時に、気分も全快になる感じです。

今回はルートの下調べをざっくりしただけで出かけ、まさか頂上付近に、あれほど難易度の高い岩場が待ち構えていようとは、思いもよりませんでした。肝を冷やし、足を竦ませながらやっとの思いで乗り越え頂上へ。

八ヶ岳連峰、阿弥陀岳。2805メートル。

気分爽快。

明日からのたい焼きは、またいっそう美味しくなりますよ。

プロフィール
山本真也(やまもと・しんや)
1960年生まれ。兵庫県神戸市出身。TV舞台の大道具の傍ら旅を志す。1996年より一家で旧四賀村に移住。現在、ナワテ通りにて、「たい焼きふるさと」経営中。

バックナンバー
  1. たい焼きの気持ち2007/08/10
  2. 精神の滋養と強壮2007/08/17
  3. 山登り2007/08/24
  4. 街がまるごと劇場だったら2007/08/31

連載記事一覧

最終更新日 2007/11/10
最終更新日 2007/11/14
最終更新日 2007/11/15
最終更新日 2007/11/12

過去の連載記事

月別アーカイブ