更新日 2007/10/24

カメラ担いでフィールドワーク

フィールドのその後

カメラ担いでフィールドを飛び回るのはいいとして。そしてその楽しさについては熱く?語ってきたわけですが、当然ながら、集めたものは何らかの形で「伝える」作業に入るわけで…。この、伝えることの難しさといったら。毎日ひしひしと感じています。

一番わかりやすいのはニュース原稿。

先日、芸術館でも『TINGEL GRIMM』(ティンゲル・グリム)展を取材させてもらいましたが、実は美術展や演劇の舞台を言葉で表現するのって本当に難しい…。それがどんな作品か。例えば、宇野亜喜良さんの絵のあの雰囲気を言葉で表現するとすれば…?

解説や詳しい人の言葉に頼らず自分で語ろうとすれば、相当造詣が深いか、するどい感性を持っていなくてはできません。残念ながら自分はそのどちらにも当たらず。結果うんうんと唸りながら原稿をひねりだすことになるのです。

ニュースの場合は映像もあるので、書く原稿は新聞の記事とは少し異なります。1分とか2分という限られた時間の中で、端的にわかりやすく伝えること。私にとってはまだまだハイレベルな作業です。

結局、「繊細な線」「~のような」「陰影」「童話のイメージ」などと、わかったようなわからないような言葉を並べて(ボキャブラリーの貧弱さも反省すべきですが)、反省会では「抽象的な文章が多くて展示会の内容がよくわからない」ということに…。反省。

これはきっと原稿に限らず、そもそも“感覚”や“気持ち”を「言葉」にすることの難しさなんじゃないかなと思います。

嬉しいこと・悲しいこと・腹立たしいこと。何かを見て、何かに対して自分がどう感じているのか。それをそのままストレートに言葉にするのも時と場合によりけりですが、じゃぁ「どう嬉しいのか」「どう腹立たしいのか」、相手にこの気持ち・感覚を伝えようと思ったときの自分の言葉の少なさには時折愕然とします。

「伝えたい」気持ちはいっぱい。でも伝えられないもどかしさ。

人と人の間では、言葉にしなくたって気持ちが伝わってくることもあって、それも大切で素敵なことだと思います。一方で、「この嬉しさ、どうやって伝えたら」っていつも思うんですよね。一生考えながらいくことなのかもしれないけれど、ちょっとずつでも、自分の言葉で自分の気持ちのありようを伝えられるようになればと思います。

さて、ここ数日で自分が最も心を動かされ、ハッとしたのは何と言っても北アルプスの美しさです。冷え込みが厳しくなってきて、山の装いも急激に冬へと向かっているよう。

西に見えるアルプスも今シーズン初めての雪をかぶって、夏の青黒い姿から、すっかり冬を感じる色合いになりました。そしてこれから見られるだろう、厳冬期の早朝のあの北アルプスの荘厳さ。本当に心が震える景色ですね。まさに“筆舌に尽くしがたい”姿、なんですが…。

あぁなんて言ったら伝わるのか~。

プロフィール
吉田幸恵(よしだ・さちえ)
東京都出身。信州大学人文科学研究科卒業。高校時代は山岳部で長野県に親しむ。大学進学を機に松本市民に。在学中は奄美徳之島の方言研究など。卒業後テレビ松本入社。編成部報道制作課。現在、カメラと三脚を担ぎマイクを握り、原稿書きや編集作業、日々のニュースや番組制作に取り組む毎日。

バックナンバー
  1. どこでも・・・2007/10/03
  2. ミス松本コンテスト2007/10/10
  3. チェアーハント2007/10/17
  4. フィールドのその後2007/10/24
  5. 窓からのぞく世界2007/10/31

連載記事一覧

最終更新日 2007/11/10
最終更新日 2007/11/14
最終更新日 2007/11/15
最終更新日 2007/11/12

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