更新日 2007/10/31

カメラ担いでフィールドワーク

窓からのぞく世界

シアターパーク、何を書こうかなぁと悩みつづけたこのひと月。

そういえば「芸術館に初めて取材に来たのはいつだったっけ」とふと思い返してみれば、もう結構前になるんですね。

特番の取材で、例によってカメラを担いで、頭はヘルメット、まだコンクリ打ちっぱなしの階段を上り下りしながら館内を撮影させて頂いた記憶があります。トップガーデンも主ホールの舞台も完成していなくて、トンカチやら何やらの音がホール内に響いていました。

なんと、今考えれば普段裏方の技術監督・馬場さんに30分全編ご出演いただいて、館内を案内して頂く番組も作りました。以前は芸術館のレギュラー番組があったので、劇場に関わるスタッフ・主催者・出演者・観客など毎回たくさんの方々にご協力頂きました。

そんな中で感じていたのは、劇場に集まる人たちは何かしら夢の世界を形作ろうとしているんだなぁということ。いや当然といえば当然なんですが…。あのエントランスの大階段を見ると、まさに日常から非日常の夢の世界へ私たちをいざなうトンネルだと感じるんですよね。(当時の馬場さんいわく大階段は“準舞台のしつらえ”なんだそうです)

この連載の初回に“どこでもドア”の話を書きました。芸術館につづくドアは、夢の世界への入り口です。作る側・サポートする側のみなさんはいかにその世界を創り上げるかに心血を注ぎ、訪れる人たちは創られた世界に存分に酔いしれる。

そして私はといえば、大階段のトンネルをばたばたと駆け上がり、あっちの窓やらこっちの窓から顔を出して皆さんのその世界をのぞかせて頂いています。実は夢の世界であっても創り上げる過程はいろいろ、時には開けたくない窓もあったりして…。

自分にとって、のぞかせてもらった世界が様々な視点や人間としての深さや毎日の活力を与えてくれているのは言うまでもありません。皆さんの世界に触れることで、どれだけ自分が助けられ成長できているのか。本当に日々実感することです。

最近はさらに、それだけではだめだということを強く感じます。窓からのぞいた世界をもっと上手に取り出して、時間も距離も遠く離れたところへ広げることができれば。そしてまたその世界が広がっていったことが、窓の中を創り上げている人たちの力になればこんな嬉しいことはないと考えています。

今だってきっとそのための道具は手にしているはず。あとは自分の修行のみです。いつの日か満足にそんな役が担えるよう努力してゆきたいと思います。

さて、今回でつたない文章を寄せさせて頂くのも最後です。

書いている自分にとってもいろいろと発見のあったシアターパーク。こんな機会を頂いてありがとうございました。

読んでくださったみなさんの気持ちに、ほんのちょっとでも触れることができていたら幸せだなぁ…。

またいつか、どこかのフィールドでお会いできることを楽しみに。ありがとうございました。

さようなら。

プロフィール
吉田幸恵(よしだ・さちえ)
東京都出身。信州大学人文科学研究科卒業。高校時代は山岳部で長野県に親しむ。大学進学を機に松本市民に。在学中は奄美徳之島の方言研究など。卒業後テレビ松本入社。編成部報道制作課。現在、カメラと三脚を担ぎマイクを握り、原稿書きや編集作業、日々のニュースや番組制作に取り組む毎日。

バックナンバー
  1. どこでも・・・2007/10/03
  2. ミス松本コンテスト2007/10/10
  3. チェアーハント2007/10/17
  4. フィールドのその後2007/10/24
  5. 窓からのぞく世界2007/10/31

連載記事一覧

最終更新日 2007/11/10
最終更新日 2007/11/14
最終更新日 2007/11/15
最終更新日 2007/11/12

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