更新日 2007/10/31

ファッションを楽しもう

服の価値

ファッションという仕事に関わりながら時々思います。

「どうして服はこんなにお金がかかるのか」

確かにそうです。なぜファッションブランドはこんなに高いのか?家電業界で考えてみると、性能は凄いし選択肢も多いけど価格競争でどんどん安くなる。

「SONY」や「panasonic」なんて世界のトップブランド。同じブランドという視点で見るとたしかに服は高すぎる。半年に一度のセールもありますが。うちの店でも、服を見たお客様に「高っ!」と言われると悲しい…(笑)。

しかしながら服には服の理由があることを知って欲しい。

それは「直接人の肌に触れるもの」だから。

テクノロジーの世界はどんどん進化していくけど、服に関して言えばいつまでも変わらない大切なことがある。

例えばどんなハイテク素材の服も、「良質なコットンやカシミアの肌触り」にはかなわない。これは永遠だと思う。素材の良さ、着心地の良さは、テクノロジーの進歩や大量生産による効率化だけでは表現できない部分がたくさんある。

良い物を追求していくと、どうしても「良い素材」「ハンドメイド」「少量生産」になる。

究極は「職人の手」によるもの。

うちのショップで取り扱う服(ブランド)は、巨大企業ではなく、ほとんど個人企業。人生かけて「ファッション」を作っているようなデザイナーも多いのです。

当然、大量生産ではなくハンドメイドだったりするものもある。だからそれなりの値段にどうしてもなる。

話は変わりますが、私はユニクロ大好きです。靴下やアンダーウエアは全てユニクロ(笑)。あの価格であのクオリティー…誰もが真似できない尊敬すべき巨大企業です。

でも考えてみると、日本人全員がユニクロ着てたら恐ろしい。不思議なもので、「i-pod」はこれだけ多くの人が持っていても違和感ないのに、同数の人が「同じ服」を着ていたら気持ち悪い(笑)。

そうなったら、ファッションではなく「制服」になってしまう。「服?なんとなく今風だったらそれなりでいいよ」なんて思ったら、それは制服を着るのと同じこと。

やっぱり服は「自己表現」の大切な要素。

人は新しい服を着たとき、とても新鮮な気分になれたり、幸せな感覚を味わえる。「早く誰かに会いたい!」と思ったりする。そんな時はなぜか良い仕事ができたりもする。服が人生にもたらす影響力、実は計り知れない。服の値段にはその価値も含まれると思うのです。

だからこそ僕たちのような小さな店にも、提案すべき大切なことがある。大企業にはできないこと。

そんな気持ちでお店をやっています。

写真:おすすめの「COSMIC WONDER Light Source」。世界中で愛され、とてもクリエイティブな日本のブランド。

プロフィール
加藤隆章(かとう・たかあき)
松本市出身。東京在住後、松本に戻り洋服のセレクトショップ「ロネ」「ペルー」2店舗を経営。「ペルー」の店名は神秘の国に対する憧れから。直近の夢は世界一周。趣味はクライミングと子育て。

・「ロネ」「ペルー」:http://www.roneweb.jp/

バックナンバー
  1. ファッションを通してみる松本2007/10/01
  2. 服の買い付け2007/10/15
  3. 服の価値2007/10/31
  4. 未来に向かって2007/11/10

連載記事一覧

最終更新日 2007/11/10
最終更新日 2007/11/14
最終更新日 2007/11/15
最終更新日 2007/11/12

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